個人事業主の方を想定した、税務調査が来やすい時期についての記事です。
- 個人事業主に税務調査が来やすい時期やタイミング
- 税務調査が来そうな時期に該当していたら何かできる事はあるのか?
税務調査って急に来るんでしょうか?
基本的には事前に連絡があります
いつ来るか分からないのが尚更怖いです。
そうですよね。そのように仰る方がほとんどですが残念ながら明確な時期は設定されていません。
来やすいタイミングとか分かれば、心の準備ができそうなので教えてください!
はい、一年の中で調査が多くなる時期や、こんな時は…というタイミングはありますのでそちらをご紹介致します。
そもそも税務調査とは
まず税務調査について簡単にご説明します。
目的部分に関しては、本記事のテーマである「税務調査はいつ来るのか?」というテーマに関係している部分もあると考えています。
税務調査って何を調査するの?
個人事業主は(法人もですが)自分で売上や経費などを集計して、所得税の計算をして納付をしています。
そして、それらは税法に従って行う必要があります。
法で定めに則って正しく計算されているかどうかを確認するための調査となります。
何の目的で調査するの?
目的は適正・公平な課税の推進です。
きっちり法律に従って納めている人がいる一方。
故意でも過失でもルールから逸れて結果的に真面目に法を守っている人や会社よりも税負担が少ないのは不公平。
そんな状況が生まれないように調査を行っています。
また「納税者への牽制」という効果もあります。
本記事のテーマですが「いつ調査が来るか分からない」という怖さは違法行為のへの抑止力にもなるんじゃないでしょうか。
個人事業主に対して税務調査が来やすい時期は?
一年の中で来やすい時期(月)があれば、こんな時は来そうかもという年もあります。
それぞれ解説していきます。
1年の中で税務調査が来やすい時期(月)
税務調査が多いのは秋頃(8~11月)です。
次いで4~5月頃でしょうか。
なぜなら、毎年7月は税務署の人事異動があります。
異動が落ち着いた7月中旬頃から少しずつ調査が始まり、8月…9月頃から増えていきます。
年明けからは確定申告が控えていますので12月までには大抵終わらせるのが一般的です。
確定申告シーズンに新たに調査が始まることはほとんどないのではないでしょうか。
それから確定申告が終わった4月、5月にまた調査が始まる…というサイクルです。
調査自体は短くても全体で1ヶ月~1ヶ月半くらいかかるので6月に開始すると、7月の異動を跨いでしまう事になりかねないため少ないと思われます。
実際に私も税務調査の通知がきっかけでご依頼頂く事があります。
そしてその件数が一番多いのはやはり秋頃です。
以上の事から、個人事業主の税務調査が一番多い時期は秋頃(8~11月)となります。
(法人の場合は決算月にもよるので一概には言えない部分もあります。)
税務調査が来そうな年
来そうな年というと語弊があるかもしれませんが、来てもおかしくないかも…という年もあります。
- 消費税の免税事業者で売上900万円台が続いている
- 売上や利益など数字が大きく変動している
- 同業種と比べて異常値が発生している
- 極端に利益が少ない
- 確定申告していない
- 貸借対照表にマイナス項目がある
※突発的な項目のみを挙げています。
詳しい内容はこちらをご覧ください
例えば
・顧問税理士がいない
・そもそも調査が多い業種
・長期間調査が行われていない
など経常的?について回りそうな理由は割愛しています。
例えば「消費税の免税事業者で売上900万円台が続いている」が挙がっているのは何故か。
(その他それぞれの項目についての詳しい解説は割愛します)
万が一売上計上が抜けていた・抜いていた場合、実は売上が1,000万円超えていた。
そうすると今度は消費税の納税義務にまで発展する可能性があります。
その場合、税務署側からすると売上計上漏れと消費税の申告漏れと二重で正すことが出来るので効率が良くなります。
このように理由はそれぞれですが、上記に掲げたケースに該当している場合は通常よりも確率は上がると思います。
なお、税務署は理由について教えてくれませんのでこれは私のこれまでの経験などに基づく分析です。
税務調査が来そうな時期に該当していたら何かできる事はある?
正直な話、何か覆せるような技があるわけではありません。現状で何かするのだとしたらというレベルです。
税理士に依頼せずにご自身で確定申告をされていた方は、是非この機会に税理士への依頼を検討されてはいかがでしょうか?
(既に顧問税理士がいる場合は連絡も税理士に入りますのでお任せしておけば良いと思います。)
なぜなら税理士の私が言うのもなんですが、やはり税理士が間に立つのと立たないのとでは全く違うようです。(私は税理士なので間に立たないケースは聞いた話しか知りません)
実際にこんなケースがあります。
申告が出来ておらず、税務調査の事前通知が来ました。
その段階で私にご依頼をいただき、間に入り…期限後申告をした後に簡易な聞きとりのみで終了した(当然納税は発生しました)というケースもあります。
無申告の場合は、申告してもらう事がまず一番の目的ではないかと思います。
そこで税理士による申告書の作成という事で一定の信頼を頂きつつ、一番の目的が達成できたので今回は…というところではないかと思っています。
一方で税理士が間に入っていない場合、自分とは畑違いの税務的な話ばかりになると思いますので相手のペースに飲まれてしまう可能性が高い事が予想されます。
以上の事から、手前味噌の話で恐縮ですが税理士に依頼された方が良いと思います。
(当然、私である必要はありません)
その信用を裏切らないために私も日々自己研鑽です。
まとめ
税務調査が来やすい時期、来てもおかしくない年(個人事業主編)という事で、これまでの経験や見聞きした話を踏まえて書きました。
一年の中で多い時期は秋、利益や売上が大きく変動した時など…来そう、来てもおかしくない時期というのはあります。
確かにありますが、究極は
いつ来るかは分からない。
です。
色々書いて最後に覆ってしまいかねませんが、大切なのは調査があっても良いように日頃からきちんと正しい処理を心がける事で、思い切って専門家に依頼するというのも選択肢です。