定額減税について、毎月1人1人減税額を管理するのが大変なので年末調整で一括処理をしても良いでしょうか?
A、一括減税は原則不可となります。
毎月の月次減税の対象となる従業員について、月次減税を行わずに年末調整で一括処理を行う方法は認められていません。
実際、年末調整で一括減税対応を認めてほしいという声は多数挙がっているようですが、認めてもらうのは難しそうです。
6月からの月次減税に向けて準備をするしかなさそうです。
国税庁から良ければ毎月の管理に、この各人別控除事績簿ををお使い下さい。と配布されています。
https://www.nta.go.jp/users/gensen/teigakugenzei/yoshiki.htm
※作成は義務ではありません。
おそらくシステム(ソフト)を使っていく事になるので、使う事はあまり無いと思います。
なぜ、一括減税がダメなのか
法律上、6月から実施される減税後の金額が本来納めるべき税額となりますので、月々の源泉徴収で定額減税をしなければ「多く税金を徴収している」状態となってしまいます。
対税務署の観点で考えると、税務署に対しては本来納めるべき税額よりも多く納めて、後から(年末調整で)精算する事になるので問題にはなりにくい気はします。
(逆に本来より少なく納める場合は問題です。)
じゃあ問題ない?と思ってしまうかもしれませんが、別の観点からも考える必要があります。
天引する税金を会社都合で本来より多く引く事となり、従業員に不利益を与えることとなります。
年末調整で一括処理できないのはこちらの方が問題になりやすいのかなと思います。
とはいえ、税額で問題なかったとしても、法律で決められてやらなければいけない事をやっていないという時点で大きなマイナスです。(他にも我流の解釈で間違っている事あるんじゃないかな?と思ってしまいますよね)
まとめ
生産性を下げる事業者泣かせの制度ですが、一括減税は認められません。
一括減税が認められていれば、月々の各人別管理は必要ありませんでしたのでここまで煩雑化はしなかったと思います。
それ以上に減税ではなく給付や、もっとシンプルに税率を下げてくれるなどしてもらえたら有り難いしかなかったんですけどね。