猫を飼っていたら敷金は諦めるしかない?退去時のルールを整理してみた

お知らせ

News
2026.04.04
猫を飼っていたら敷金は諦めるしかない?退去時のルールを整理してみた

以前、猫と一緒に賃貸に住んでいたことがあります。

退去のときに追加請求が来るかなと少し身構えていました。

猫を飼わせてもらっている以上、部屋が傷むのは当然だと思っていたので。

結果的には3箇所とも敷金の範囲内で収まって、ほっとした記憶があります。

ただ今思えば、ルールをちゃんと知っていれば返ってくる分もあったのかもしれません。

賃貸借の法律は税理士業務の専門外ではありますが、同じように猫と賃貸で暮らす方に向けて一度整理してみました。

そもそも「原状回復」って何?

退去時によく出てくる原状回復という言葉。

借りたときの状態に戻す義務のことですが、ここに大事なポイントがあります。

原状回復とは、入居中についたすべての傷や汚れを元に戻すことではありません。

国土交通省のガイドラインでは、原状回復について「賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧すること」と定義されているようです。

少し難しいですが、要するに「普通に生活していてできた傷や劣化は、借主が負担しなくていい」ということです。

日焼けによるクロスの色あせ、家具を置いた跡のへこみ、こういった普通に暮らしていれば起きることは、貸主側の負担とされています。

2020年4月に施行された改正民法により、原状回復に関するルールが法律として明文化されました。

それまでは国土交通省のガイドラインがあったものの、法律上の根拠が曖昧な部分もありました。

改正によって「通常の使用による損耗は借主が負担しない」という考え方がより明確になり、借主の立場が強化されています。

猫による傷は?

ここが気になるところだと思います。

猫の爪とぎによるクロスや床の傷、猫特有のにおいによるクロスの汚れ、こういったペット特有の損傷については、借主の負担とされています。

通常の生活では起きない傷だからです。

一方で、猫がいたとしても日焼けによる変色や経年劣化は通常消耗に含まれます。

猫がいるからといって、すべてが借主負担になるわけではないんですね。

当時の私は「猫を飼っている=全部自分が払うべき」と思っていましたが、実際にはそうではなかったようです。

知っておくと役立つこと

退去時のトラブルを防ぐために、入居時にやっておくといいと思うことを3つ挙げます。

契約書の確認:ペット飼育可の物件では、通常より高い敷金や定額の補修費が設定されていることがあります。入居前に契約書をよく読んで、どんな条件になっているかを把握しておきましょう。

入居時の写真を撮る:入居した時点の部屋の状態を写真に残しておくこと。退去時に「最初からあった傷か、入居後についた傷か」を判断する材料になります。

退去時の立ち会い:退去時に貸主や管理会社と一緒に部屋を確認する機会があれば、その場で内容を確認し、納得してから書類にサインするようにしましょう。

まとめ

昔の私は「猫を飼っていたんだから仕方ない」と思って、特に確認もせず退去しました。知識があれば、納得感が違ったと思います。

3回とも敷金の範囲内で収まりましたが、ルールを知っていれば返ってくる分もあったのかもしれません。

とはいえ、猫の爪とぎ跡や消臭クリーニングなどを合わせると、ペット特有の修繕費は10万円以上になることは珍しくないはずです。

経年劣化分を細かく分けて交渉するより、敷金の範囲内で収まれば双方にとってバランスの取れた落としどころなのかもしれません。

これから猫と一緒に引っ越しを考えている方は、ぜひ契約書をよく読んで、入居時の写真を撮ることだけでも習慣にしてみてください。

一覧に戻る
POPULAR
POPULAR

よく読まれている記事