嫌な仕事を後回しにしてしまうフリーランスのためのタイムブロッキング

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2026.03.24
嫌な仕事を後回しにしてしまうフリーランスのためのタイムブロッキング

フリーランスの日常において、気が重くなる仕事への着手は避けて通れない課題です。経理などの事務作業に限らず、クライアントへの言いにくい相談、難易度の高いタスク、成果が未知数な新しい提案の準備など、その種類は多岐にわたります。

誰にも進捗を管理されない環境では「今日くらいは」という心理的な隙が生まれやすく、気づけば一日が過ぎてしまう…という経験はありませんか?

こうした状況は、個人の怠慢によるものではなく、一人で重たい仕事に向き合う際に生じやすい自然な反応です。

重要なのはやる気や意志力に期待するのではなく、つい先延ばししてしまう前提をあらかじめ組み込んだ仕組みを整えることです。

今回は嫌な仕事を後回しにせず、一日のリズムを安定させるための考え方とその具体的な運用方法についてです。

嫌な仕事を後回しにしないために必要なのは気合ではなく環境

嫌な仕事を後回しにしないためには、精神論で自分を奮い立たせるよりも、仕事に取り掛かるまでの物理的・心理的なハードルを下げる環境づくりが重要です。

フリーランスには、いつ何をしても、あるいは「何もしなくても」直接注意されることのない自由があります。

会社員時代であれば、周囲の目や決まった勤務時間といった枠組みが、気が進まない仕事に向き合うための外圧として機能していました。

しかし、その強制力がなくなった個人環境では脳が不快を避けて楽な方向へ流れるのは自然なことです。

そのため、今日こそ頑張るという決意に頼るのではなく、考える前に体が動き始めるような仕組みを用意する視点が欠かせません。

私自身、始業時に「今日は何から手を付けようか」と考え始めると、それ自体が先延ばしの入り口になっていると気づきました。検討しているうちに重い仕事に対する不安や心理的な負担が大きくなっていくからです。

意志力には限界があることを前提に、迷う余地を減らす工夫が求められます。

タイムブロッキングは人の目の代わりとして機能する

フリーランスが嫌な仕事を後回しにしないための具体的な手法がタイムブロッキングです。

これは、カレンダーの中にそのタスクを行う時間を外部との会議と同じようにあらかじめ確保してしまう方法です。

タイムブロッキングが有効なのは、カレンダーに書き込まれた予定がこの時間はこの作業をするという明確な合図となり、結果として行動を促してくれるからです。

単なるタスクリストは今日中にやるといった曖昧さを残しやすく、着手を遅らせる余地が生まれがちです。

一方で、タイムブロッキングは10時から10時半までは、集中してメール対応を行う…などと時間を固定します。

私はこの時間割を作るタイミングは当日の朝としています。

前日の夜に決めるのも良いと思いますが、急な予定や体調を考慮すると、始業直後にその日のスケジュールを組む方が調整しやすい場合も多くあります。

カレンダーに入れた予定を自分との約束として扱うことで、作業を先送りする流れを断ち切りやすくなります。

タイムブロックは長時間で設定すると失敗しやすい

タイムブロッキングを取り入れる際に注意したいのは、重い仕事に対して午後の4時間といった長い時間を一気に割り当ててしまうことです。

難易度が高い仕事や心理的な負担の大きい仕事に大きな時間枠を設けると、その重さがかえって着手の妨げになることがあります。

結果として、他の軽い作業や関係の薄い作業に流れてしまうケースも少なくありません。

私はこれにポモドーロテクニックを組み入れています。ポモドーロテクニックとは短時間の集中と休憩を繰り返す考え方です。

25分を作業、5分を休憩とする1サイクル(1ポモ)を最小単位とし、嫌な仕事はまずは1ポモだけ進めると設定します。

4時間集中するのは難しくても、25分だけ席に座るのであれば、心理的な負担を抑えた状態で着手しやすくなります。

この「25分だけは進めた」という小さな完了を積み重ねることが日々の停滞を防ぐ助けになります。

私はこの考え方を取り入れて、このタスクは何ポモかかりそうか。という視点で分類しています。

  • 1ポモで終わらせるタスク

  • 2〜3ポモ必要なタスク

  • 4ポモ以上かかりそうなタスク

といった具合です。

ここで重視しているのは正確な作業時間の見積りではありません。

これは1ポモなら着手できそうか、3ポモ以上になると腰が重くなりそうかといった、心理的な負荷の大きさで仕分ける感覚です。

特に4ポモ以上に分類されるタスクは、短い隙間時間では進みにくく、ある程度まとまった時間を確保しないと着手しづらい仕事であることが多いものです。

無理に日常の空き時間に押し込もうとするとかえって後回しになりやすくなります。

あらかじめポモ数でラベル付けしておくことで、今日は1ポモの仕事だけ進める日、今日は3ポモまでなら対応するといった現実的な判断がしやすくなります。

ツールを使う理由は意志のエネルギーを節約するため

タイムブロッキングや時間管理にデジタルツールを活用する目的は作業効率を上げること以上に、判断や迷いに使うエネルギーを減らすことにあります。

次に何をするか、あと何分残っているか。と考えるだけでも脳は少なからず負荷を受けます。

心理的なハードルの高い仕事を前にしているときその小さな負担が作業を中断する理由になりかねません。

カレンダーアプリやタイマーなどのツールに「いつ・何を・どのくらい行うか」を任せておけば自分は通知や時間の区切りに従って動くだけで済みます。

特定の時間に通知を出したり視界に入る場所にタイマーを置いたりすることで意識を自然にタスクへ向けやすくなります。

ツールは能力を高めるためのものというより迷いを減らすための補助役です。

自分の意志で自分を動かそうとする負担を減らし、外部の仕組みに委ねることで嫌な仕事への着手は格段に楽になります。

嫌な仕事を後回しにしないために必要なのは、強い意志でも特別な才能でもありません。

迷う余地を減らし、始める仕組みを先に用意しておくこと。

タイムブロッキングとポモドーロの組み合わせは、そのためのシンプルな手段です。

次の一歩として、まずは明日の朝、スケジュールの中に気が重くなっている「あの仕事」を25分だけ、具体的な時間帯を決めて予約してみてはいかがでしょうか。


プロフィール(東盛 学/税理士)

岐阜市を拠点に、法人・個人事業主の経営を支援する税理士。

岐阜県内を中心に日々の経理や事務で悩む時間を減らし、 安心して本業に集中できる環境づくりをお手伝いしています。

単発のご依頼ではなく、継続的な顧問契約による伴走型支援を大切にしています。

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