個人事業主がプライベート口座のみで事業を進めるときの注意点

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2026.01.26
個人事業主がプライベート口座のみで事業を進めるときの注意点

個人事業主の方から「とりあえずプライベート口座のみで事業を進めていますが、大丈夫でしょうか」
という相談を受けることがあります。

開業直後で取引も少ないうちは、特に問題がないように感じるかもしれません。
ただ実務の現場では、後になって手間や説明の負担につながりやすいポイントがいくつかあります。

この記事では、個人事業主がプライベート口座のみで事業を行う場合にどんな点で負担が増えやすいのかを整理します。

プライベート口座のみだと私用が多く混ざる

プライベート口座のみだと取引が混ざりやすくなります。

事業を始めると
・売上の入金
・経費の支払い
・生活費の引き落とし

これらが同じ口座に並ぶことになります。

その結果「これは事業の取引か、それとも私用か」と確認する場面が増えていきます。

取引数が少ないうちは何とかなっても、少しずつ増えてくるとその都度立ち止まる必要が出てきます。

まず最初に、日々の管理がやりにくくなる点が実感されやすいところです。

事業主勘定が増えると帳簿や決算書が分かりにくくなる

プライベート口座のみで事業を続けると、事業主勘定が増えやすくなります。

事業主勘定とは、個人事業主が事業用とプライベート用のお金の出し入れを区別するために使う勘定科目です。

事業主勘定そのものが悪いわけではありません。
ただ、実務上は次のような影響が出てきます。

  • 記帳時に考えることが増える
  • 内容を覚えていないと説明しづらい
  • 決算書の印象が悪くなる

特に決算書や帳簿を見たときに事業主勘定の動きが多いと、見た目としても整理されていない印象になりがちです。

数字が合っていても、自分で確認するときや第三者に説明するときに余計な手間がかかる原因になります。

口座引き落としを後から変えようとすると負担が大きい

後から口座引落しの設定を変更するのは思った以上に大変です。

取引先やサービスが増えるにつれて
・クレジットカード
・各種ネットサービス
・定期的な支払い

引き落とし設定も自然と増えていきます。

数が増える程に変更の手間が増し、「もう少し落ち着いてから考えよう」と先送りにすると更なる悪循環に陥ります。
結果的に整理の負担が大きくなりやすい点は、実務でもよく見かけるところです。

どうしても分けられない場合はカードだけでも分けておく

口座を分けるのが難しい場合でも、事業用の支払いカードだけは分けておきましょう。

支払いの入口が分かれていれば
・明細の確認
・仕分け
・判断

がかなり楽になります。

カードを分けているかどうかで日々の作業量は大きく変わります。

口座を今すぐ変えるのは難しいという方も、支払いのカードだけでも分けておくという事であればすぐにでも対応できるのではないでしょうか。

まとめ:正解よりも、続けやすい形を選ぶ

個人事業主がプライベート口座のみで事業を始めること自体は特別なことではありません。

ただ
・取引が混ざりやすい
・事業主勘定が増えやすい
・帳簿や決算書が分かりにくくなりやすい

といった点は、避けにくい傾向があります。

大切なのは、今できるかどうかではなく、後から自分が無理なく管理できるかです。

少し整えておくだけで、日々の確認や判断は確実に楽になります。

後から困らない形にする。それが結果的に一番負担の少ない進め方です。


プロフィール(東盛 学/税理士)

岐阜市を拠点に、法人・個人事業主の経営を支援する税理士。

岐阜県内を中心に日々の経理や事務で悩む時間を減らし、 安心して本業に集中できる環境づくりをお手伝いしています。

単発のご依頼ではなく、継続的な顧問契約による伴走型支援を大切にしています。

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