
基礎控除の引き上げで手取り増?2025年12月より影響
税のこと
以前、当ブログで「トリマー開業ロードマップ」という記事を公開しました。
あれは、私が日々の業務でご相談を受ける最初のステップ、つまり事業を「始める」ための具体的な道筋を解説したものです。
しかし、開業はゴールではありません。
税理士として長年多くの事業主様を見ていると、本当の壁は事業を「続ける」ためにやってくる、第二のステップにあると感じています。
開業の記事と同様にトリミングサロンを例にすると、特に多く寄せられるのが「トリミングサロンの月の売り上げ」に関するこんな声です。
「毎月の売り上げは、これで十分なのだろうか?」
「他のサロンは、一体どれくらい売り上げているんだろう?」
そこで今回は、開業という夢を叶えた皆様が安心して事業を「続ける」ために、気になる「月の売り上げ」の考え方と、利益を生む目標設定のコツについて、シンプルに解説していきます。
トリミングサロンのみならず、他の業種でも考え方は同じです。
Contents
まず、ご自身の経営状況について、感覚ではなく事実として把握できているか、簡単なチェックをしてみましょう。
もし、一つでも当てはまる項目があれば、それは経営の危険信号かもしれません。
これらの状態が続くと、「確定申告の時期に慌てて赤字だったことを知る」「なぜ経営が苦しいのか理由が分からず、具体的な対策が立てられない」といった状況に陥りがちです。
一人経営のトリミングサロンが軌道に乗った場合、月の売り上げは80万円~120万円も十分に現実的な目標です。
年商1,000万円を超えるオーナー様も決して珍しくありません。
しかし、他店の平均額を気にするよりも、あなたの経営にとって重要なのが、ご自身のサロンが赤字にならない最低ライン=「損益分岐点」を把握することです。
経費は、その性質によって二種類に分けられます。
損益分岐点とは、売上と経費がちょうど同じになり、利益がゼロになる売上高のことです。
つまり、「最低でも、ここまで売上がないと赤字になる」というラインであり、経営における絶対的な基準点となります。
この損益分岐点を把握することで、「今月はあと何頭トリミングすれば黒字になる」といった具体的な目標設定が可能になります。
損益分岐点が分かれば、それに「ご自身が得たい利益」を上乗せすることで、初めて現実的な売上目標を立てることができます。
この目標に向かって日々の売上とコストを記録し、計画とのズレを確認・修正していくことが、経営の基本となります。
今回は、トリミングサロンの「月の売り上げ」をテーマに、目標設定と経営管理の基本について解説しました。
平均的な売上高も一つの目安にはなりますが、最も大切なのは、ご自身の経費構造から導き出した「損益分岐点」を理解し、利益の出る自分だけの売上目標を立て、日々その達成度を確認していくことです。
この記事が、あなたのサロンの売上向上と安定経営の一助となれば幸いです。
もしそれでも不安なこと、分からないことがあれば、いつでも私たちのような専門家にご相談ください。
もし、これから開業を考えている、あるいは開業の全体像からおさらいしたい、という方は、こちらの「トリマー開業ロードマップ」の記事もぜひご覧ください。
本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の法的・税務的アドバイスを保証するものではありません。具体的な意思決定にあたっては、必ず管轄の行政機関や税理士等の専門家にご相談ください。