Claudeが自動化するか、Claudeで自動化するか

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2026.04.22
Claudeが自動化するか、Claudeで自動化するか

最近Claudeの話題が急に増えてきました

ここ数ヶ月でClaudeを使った自動化の話題がXやnote、YouTubeなど様々なメディアで急増しています。

Claude Codeで業務を全部任せた、仕訳を自動処理した、などといった投稿が次々と出てきて、税理士業界でも大きな話題になっています。

私もClaudeは日常的に使っています。

こうした流れの中で自分はどう使っているかを一度整理してみたくなりました。

一口に「Claudeで自動化」といっても、その中身は人によってかなり違います。

「が」と「で」、たった一文字の違いですがAIとの向き合い方がまったく異なります。

Claudeが自動化する、とはどういうことか

Claude CodeのようなAIエージェントは、生成AIの頭脳に手足がついたものです。

AIが自律的に判断しながらPC内部を直接操作して、ファイルを読み書きしたりコードを書いて実行したりと、処理を進めていきます。

これが「Claudeが自動化する」です。

便利な反面、意図しない動作が実行されるリスクも伴います。

そしてAIは確率論的に動きます。同じ入力に対して、毎回微妙に違う結果を出すことがあります。

精度は高くても、100%同じ結果が出る保証はありません。

顧問先のデータを扱う以上、毎回同じ結果が出ることは絶対条件です。

「今日は正しく処理されたけど昨日は違った」では困ります。だからAIに判断を委ねる処理は、今のところ採用しない方針でいます。

また話題になっている自動化の多くは、最初からデジタルで整ったデータが前提になっているケースが多いように見えます。

ただ実際には顧問先によって資料の受け取り方はさまざまで、PDFもあれば写真もあれば紙の郵送もある。

その前段階、顧問先ごとにバラバラな形で届いたものを画一的に揃えて仕訳データにするまでの工程にはまだまだ人の判断が必要な部分が多くあります。

私が取り組んでいるのはむしろそちらの部分で、そこはAIに判断を委ねるよりも確実に動く仕組みを作る方が大事だと考えています。

Claudeで自動化する、とはどういうことか

一方で私がやっているのは、Claudeと対話しながら自動で動く仕組みを作ることです。

「こういう処理をしたい」「この設計に穴はある?」という壁打ちの中でClaudeに構成やコードの叩き台を出してもらい、それをGAS(Google Apps Script)というGoogleが提供する無料のプログラミング環境に落とし込みます。

叩き台をそのまま使うのではなく、「この判断で合っているか」「この設計に抜けはないか」を自分で確認しながら整えていく。

この作業が本体です。Claudeと対話しながら自動で動く仕組みを作る。

これが「Claudeで自動化する」です。

コードは決定論的に動きます。Claudeが書いたコードであっても、一度書き上がってしまえば同じ条件を入れれば毎回同じ結果が出ます。

仕組みが完成すれば、日々の処理はClaudeに頼らずに動く。

改善や新しい仕組みが必要になったときにまたClaudeと壁打ちする、という関係性です。

コストの面でもすべての処理をClaudeのAPIを通じてこなすとなると、トークンの消費が積み重なっていきます。

GASで仕組みとして組んでしまえば、その処理にトークンは不要です。

作業の内容によってはGoogleのAPIを利用することもあるので一概には言えませんが、毎月複数の顧問先を処理することを考えると、できる部分はGASで賄える方が長期的には安定します。

ちなみに「それ、別にClaudeじゃなくて良いのでは?」と思われるかもしれません。

実際にGeminiなども試しましたが、出力されるコードの安定感という点でClaudeの方が自分には合っていると感じています。

またClaudeにはプロジェクト機能があり、一つのテーマで工程ごとに取り組みやすい。壁打ち相手として使い続ける上で、この使いやすさは大きいです。

主体はあくまで自分、Claudeはサポート役

実はこの記事自体も、Claudeで書きました。

Claudeが書いた記事ではなく、Claudeで書いた記事です。

具体的には、構成の叩き台はClaudeに出してもらっています。

ただ何を伝えたいか、どの表現が自分の言葉として自然か、この内容で本当に良いか。

そうした判断はすべて自分でしています。

何度も推敲して、自分の考えと言葉に整えていく作業が本体です。

システム開発も同じです。

「こういう仕組みにしたい」という目的を決めるのは自分です。

設計の叩き台をClaudeと一緒に考え、コードを書いてもらう。

でも「これで良いか」を判断するのは自分で、最終的な責任も自分が持ちます。

Claudeが賢くなればなるほど、任せられる範囲は広がっていきます。

ただそれは、自分が考えることを手放して良いということではないと思っています。

むしろClaudeが優秀だからこそ、何を任せて何を自分で判断するかを意識しておくことが大事です。

おわりに

「Claudeが自動化する」のではなく「Claudeで自動化の仕組みを作る」

この違いを意識するだけで、AI活用の質はだいぶ変わると思っています。

現在この考え方を土台に、税理士事務所の業務を仕組み化するシステムをGASで構築しています。次回はその具体的な中身について書きます。

以前、生成AIとの向き合い方について考えをまとめた記事を書いています。

今回はその続きとして、自分の具体的なスタンスを書きました。

よければあわせてご覧ください。 →生成AIとの向き合い方|税理士が実践する「賢い使い方」とは?


プロフィール(東盛 学/税理士)

岐阜市を拠点に、法人・個人事業主の経営を支援する税理士。

岐阜県内を中心に日々の経理や事務で悩む時間を減らし、 安心して本業に集中できる環境づくりをお手伝いしています。

単発のご依頼ではなく、継続的な顧問契約による伴走型支援を大切にしています。

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