岐阜県最低賃金は令和8年10月から1,121円。上がる人件費、いつから・どう備えるか

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2026.09.30
岐阜県最低賃金は令和8年10月から1,121円。上がる人件費、いつから・どう備えるか

岐阜県の最低賃金が、令和8年10月1日から時給1,121円に上がります。

金額のニュースは目にしても、「10月に払う給料から変えればいい?」と迷う場面は意外と多いものです。

この記事では税理士の視点から、適用のタイミングと経営としての受け止め方を整理します。

岐阜県最低賃金は令和8年10月1日から1,121円になります

岐阜県の最低賃金は、これまでの1,065円から56円上がり、1,121円になります。

この金額は、パート・アルバイト・正社員といった働き方や年齢に関係なく、県内で働くすべての人に適用されます。月給や日給で働く人も、時間あたりに換算すると対象になります。

具体的な換算方法や業種ごとの扱いは、岐阜労働局の案内で確認するか、社会保険労務士に相談すると安心です。

この記事では、その先にある「いつの分から変えるのか」と「経営としてどう受け止めるか」の2点に絞ってお話しします。

「10月から」は支給日ではなく、働いた日で判断します

新しい最低賃金は、10月1日以降に働いた分から適用されます。

10月に支払う給料からではありません。

これは会計でいう発生主義と同じ考え方です。

たとえば、12月に使った電気代の請求が翌年1月に来ても、12月の経費として考えます。

お金が動いた日ではなく、その費用が発生した日で判断するのが会計の基本です。

給料も同じで、いつ払うかではなくいつ働いたかが基準になります。

たとえば、末日締め・翌月払いなら、10月に支払う9月分の給料は旧時給で構いません。

新時給になるのは、11月に支払う10月分からです。

さらに迷いやすいのは、締め日が月の途中にある場合です。

20日締めなら、9月21日〜10月20日の給料は、9月21日〜30日が旧時給、10月1日〜20日が新時給になります。

日割りが手間なら、期間全体を新時給で計算しても問題ありません。

ただし、期間全体を旧時給で計算するのは認められません。

支払日で考えるか、発生日で考えるかは、会計の現場でもよく迷われるポイントです。

自社の締め日から逆算して、給与の設定を変える時期を確認しておきましょう。

最低賃金の引き上げを、これからの経営の前提として考える

最低賃金が下がることは無いと思いますので、これからも上がっていく前提で経営を考えるべきだと感じます。

影響は単純に人件費の増加ということではありません。

扶養の範囲内で働きたいパートさんは、時給が上がると、そのぶん働く時間を減らして年収を調整することとなります。

事業者から見ると、支払う人件費はほとんど変わらないのに、お願いできる時間が減るということが起こります。

減った時間を補うために人を増やせば、そのぶん人件費は増えますし、採用や教育の手間もかかります。

これまでの時給を抑えて人数を確保し、価格を下げて数をこなすやり方そのものが、難しくなってきています。

であれば、これから目指す方向は、次のようなものだと考えています。

単純な作業はシステムや機械に任せる。

商品やサービスの価格は、その価値に見合った金額に見直す。

そのぶん、残ったスタッフにしっかり給料を払う。

たとえば、予約・請求などをシステムに任せて手作業を減らすことも、その一歩です。

値上げを「申し訳ないこと」ではなく、サービスに見合う価格に直すことと考えるのも、その一つです。

ただし、何が合うかは業種や規模によって違います。

一人で回している事業もあれば、地域の事情ですぐには値上げしにくい事業もあります。

全部を一度に変える必要はなく、まずはできるところから一つずつ。

今の仕事の中で人がやらなくてもいい作業はどれか、そして自分の商品やサービスの価格を最後に見直したのはいつか、振り返ってみてはいかがでしょうか。

最低賃金の引き上げはたしかに負担です。

一方で、自分の事業の形を見直すきっかけにもなるのではないでしょうか。


プロフィール(東盛 学/税理士)

岐阜市の動物好きな税理士。

法人・個人事業主どちらも対応し、規模にかかわらず一人ひとりと向き合うことを大切にしています。

顧問先のハッピーライフを会計・税務から支えます。

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