税務調査の確率は低いから安心?油断禁物!知っておきたい調査...
税のこと
岐阜県の最低賃金が、令和8年10月1日から時給1,121円に上がります。
金額のニュースは目にしても、「10月に払う給料から変えればいい?」と迷う場面は意外と多いものです。
この記事では税理士の視点から、適用のタイミングと経営としての受け止め方を整理します。
岐阜県の最低賃金は、これまでの1,065円から56円上がり、1,121円になります。
この金額は、パート・アルバイト・正社員といった働き方や年齢に関係なく、県内で働くすべての人に適用されます。月給や日給で働く人も、時間あたりに換算すると対象になります。
具体的な換算方法や業種ごとの扱いは、岐阜労働局の案内で確認するか、社会保険労務士に相談すると安心です。
この記事では、その先にある「いつの分から変えるのか」と「経営としてどう受け止めるか」の2点に絞ってお話しします。
新しい最低賃金は、10月1日以降に働いた分から適用されます。
10月に支払う給料からではありません。
これは会計でいう発生主義と同じ考え方です。
たとえば、12月に使った電気代の請求が翌年1月に来ても、12月の経費として考えます。
お金が動いた日ではなく、その費用が発生した日で判断するのが会計の基本です。
給料も同じで、いつ払うかではなくいつ働いたかが基準になります。
たとえば、末日締め・翌月払いなら、10月に支払う9月分の給料は旧時給で構いません。
新時給になるのは、11月に支払う10月分からです。
さらに迷いやすいのは、締め日が月の途中にある場合です。
20日締めなら、9月21日〜10月20日の給料は、9月21日〜30日が旧時給、10月1日〜20日が新時給になります。
日割りが手間なら、期間全体を新時給で計算しても問題ありません。
ただし、期間全体を旧時給で計算するのは認められません。
支払日で考えるか、発生日で考えるかは、会計の現場でもよく迷われるポイントです。
自社の締め日から逆算して、給与の設定を変える時期を確認しておきましょう。
最低賃金が下がることは無いと思いますので、これからも上がっていく前提で経営を考えるべきだと感じます。
影響は単純に人件費の増加ということではありません。
扶養の範囲内で働きたいパートさんは、時給が上がると、そのぶん働く時間を減らして年収を調整することとなります。
事業者から見ると、支払う人件費はほとんど変わらないのに、お願いできる時間が減るということが起こります。
減った時間を補うために人を増やせば、そのぶん人件費は増えますし、採用や教育の手間もかかります。
これまでの時給を抑えて人数を確保し、価格を下げて数をこなすやり方そのものが、難しくなってきています。
であれば、これから目指す方向は、次のようなものだと考えています。
単純な作業はシステムや機械に任せる。
商品やサービスの価格は、その価値に見合った金額に見直す。
そのぶん、残ったスタッフにしっかり給料を払う。
たとえば、予約・請求などをシステムに任せて手作業を減らすことも、その一歩です。
値上げを「申し訳ないこと」ではなく、サービスに見合う価格に直すことと考えるのも、その一つです。
ただし、何が合うかは業種や規模によって違います。
一人で回している事業もあれば、地域の事情ですぐには値上げしにくい事業もあります。
全部を一度に変える必要はなく、まずはできるところから一つずつ。
今の仕事の中で人がやらなくてもいい作業はどれか、そして自分の商品やサービスの価格を最後に見直したのはいつか、振り返ってみてはいかがでしょうか。
最低賃金の引き上げはたしかに負担です。
一方で、自分の事業の形を見直すきっかけにもなるのではないでしょうか。
岐阜市の動物好きな税理士。
法人・個人事業主どちらも対応し、規模にかかわらず一人ひとりと向き合うことを大切にしています。
顧問先のハッピーライフを会計・税務から支えます。