後期高齢者医療の保険料に、申告していない特定口座の所得も反映へ

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2026.10.08
後期高齢者医療の保険料に、申告していない特定口座の所得も反映へ

2026年5月に医療保険制度の改正法が成立し、6月に公布されました。

その中に、後期高齢者医療制度の保険料や窓口負担の決め方が変わる内容が含まれています。

気になったので、厚生労働省が公表している情報をもとに整理しました。

後期高齢者医療の保険料は、申告していない特定口座の所得も対象に

後期高齢者医療では現在、源泉徴収だけで課税が完結し、確定申告をしていない上場株式の配当や譲渡益などは、保険料や窓口負担割合の判定に反映されていません。

今回の改正でこうした金融所得も確定申告の有無にかかわらず反映されることになりました。

仕組みは金融機関が提出する法定調書をオンラインで受け取る形のようです。

厚生労働省は、法定調書を活用するため個人の事務負担等は増えないと説明しています。

特定口座の申告不要は、今どう扱われているのか

源泉徴収ありの特定口座では、確定申告をしなくても課税が完結します。

現状はその場合、市区町村が金融所得を把握できないため保険料や窓口負担の判定には入りません。

確定申告をすると入ります。

つまり同じ所得でも、申告したかどうかで扱いが変わります。

次の比較は、現行制度でのものです。

厚生労働省の資料にある例で、夫婦ともに後期高齢者、本人の年金が230万円、配当等の金融所得が50万円(金融資産2,500万円の配当を勘案)、配偶者の基礎年金が83万円というケースです。

  1. 金融所得の申告なし:年間の保険料は118,928円、窓口負担割合は1割
  2. 金融所得の申告あり:年間の保険料は169,978円、窓口負担割合は2割

保険料は令和6・7年度の全国平均で計算した例で、一定の所得がある人の場合です。

誰にでも当てはまる数字ではありません。

後期高齢者医療の保険料への反映は、いつから?

施行日は、公布から5年以内に政令で定める日とされています。

厚生労働省の想定スケジュールでは、保険料や窓口負担への反映は公布後4〜5年程度で、年でいえば2030〜2031年頃が目安です。

ただし、システム改修などの事情で後ろにずれる可能性もあるとされています。

また、NISA口座の所得、源泉分離課税の預貯金利子、金融資産そのものは対象ではありません。

今回の金融所得の反映に関する改正は、後期高齢者医療制度を対象としたものです。

国民健康保険などへの同様の反映が、今回決まったということではありません。

現役世代の保険料との関係

健康保険や国民健康保険の保険料の一部は、後期高齢者医療を支える支援金に充てられています。

個人事業主の国保も同じです。

今回の医療保険制度改革の趣旨には、現役世代を中心とした保険料負担の上昇を抑えることが挙げられています。

ただ、金融所得の反映によって現役世代の保険料がどの程度変わるのか、現時点で具体的な額は、確認した範囲では見つけられませんでした。

申告不要の特定口座をどう考えるか

申告の有無で扱いが違う今の状態には、確かに少しアンバランスさを感じます。

一方で、今回の見直しによって負担が増える人がいることも、忘れてはいけないと思います。

負担能力に応じて負担してもらうというのであれば、その分現役世代の負担が具体的にどう軽くなるのかも示してほしいところです。

保険料が下がるのか、今後の上昇を抑えるのか。

負担が増える側だけでなく、その効果も見えると受け止め方は違うのではないでしょうか。


プロフィール(東盛 学/税理士)

岐阜市の動物好きな税理士。

法人・個人事業主どちらも対応し、規模にかかわらず一人ひとりと向き合うことを大切にしています。

顧問先のハッピーライフを会計・税務から支えます。

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